ふくしまワンデイドライブ

「日本中に春を運んでくる桜に復興の想いを込めて」@NPO法人ハッピーロードネット

浜通り

こんにちは、トヨタレンタリース福島 サトウです。
日本中に春を運んでくる桜。浜通りの被災地にも美しい桜の花が咲き誇り、今年も沢山の人を楽しませてくれました。

突然ですが、みなさんは福島県浜通り、国道6号線を車で走られたことはありますか?東日本大震災で甚大な被害を受けた浜通りは、震災から11年が経過した現在も、復興は道半ばであることを感じます。そんな中、春を告げる景色となって私たちの心を和ませてくれたのは、国道沿い植えられた若い桜の木の存在です。

※この記事は、桜が開花前(2022.04.06)の取材になります。

■写真:いわき市勿来町 4月初旬

■写真:いわき市勿来町

♦活動の原点~

復興のシンボルとして、浜通りのいわき市から新地町まで、総延長163kmの国道6号線沿いに2万本の桜を植えるというふくしま浜街道・桜プロジェクトをご存じでしょうか。

今回私たちブログチームは、このプロジェクトを立ち上げたNPO法人ハッピーロードネット理事長の西本由美子さんにお会いする機会をいただき、双葉郡広野町の事務所を訪れました。

■写真:ハッピーロードネット理事長の西本由美子さん

震災前は専業主婦だったという西本さん、3兄弟を育てたお母さんです。高校生たちが「大人の前で意見を言える場所を作ってほしい」という声を形にしたハッピーロードネット。

”子どもたちがやりたいことをやれる環境を作ってあげたい!応援しなくちゃいけない!私たち大人もがんばろう!”と、「交通安全母の会」「常磐道を応援する女性の会」「ハイスクールサミット」「ごみ拾い活動」など、常に子どもたちを主体として地域を盛り上げ、様々なボランティア活動を25年以上もされています。

♦女子高生と交わした桜が咲き誇る新たな町づくり

その活動の中でもTVや新聞でのニュースをきっかけに、私たちが特に関心を持った「ふくしま浜街道・桜プロジェクト」。このプロジェクトは、東日本大震災の前、地域づくりの一環として、西本さんと一緒にボランティア活動していた、ある女子高生の想いがあったそうです。

「海沿いを走る浜街道を、桜が咲き誇る世界一の街道にたい」活動が動き始めた矢先、プロジェクトの中心であった女子高生が東日本大震災の津波で命を奪われてしまいます。

西本さんは、彼女と交わした夢を実現するため、一念発起し、震災後の2012年の5月からプロジェクトを再開。2013年1月、新地町の国道6号線沿から桜を植える活動がはじまりました。

♦世界中に広がる支援の輪「桜プロジェクト・オーナー基金」

「震災から11年、私たちは、子どもたちと一緒に原発事故にあった故郷を再生しようと頑張ってきました。その姿を世界中の人たちに見てもらい、それを伝えたい。」

桜を植え続け、西本さんたちの活動を応援したいと、地元だけでなく企業、行政、県、海外にまで賛同の輪が広がり、植樹の本数はすでに約1万3千本ほどに達しています。

桜の木は、植樹後2年で花が咲き始め、大きくなるまでの約10年間は雑草を刈ったり、枝払いなどの管理をしてあげないと木が枯れてしまうため、西本さんたちや多くのボランティアの方たちによって、枝を傷つけないよう、ひとつひとつ全て手作業で手入れし、大切に管理されています。

しかし1万本の桜の維持管理には、ボランティアだけでは足りない現状があり、全国から『桜の木のオーナー』を募っています。

桜のオーナー基金に参加すると、桜の成長を見守るだけでなく、オーナーとなった証として、その1本に、それぞれの想いを寄せたメッセージプレートが掲げられます。

🌸桜の木のオーナーになるには「オーナー基金」

♦活動の原動力~

エネルギッシュでバイタリティにあふれ、人をどんどん巻き込んでいく西本さん。その原動力と想いを伺いました。

”子どもがいるから”高校生たちが色々なことをやりたくてウズウズしていて、大人として子どもたちにそのチャンスを作ってあげたいと。そのくらいしかできないのかなぁ…と思っています。だから、私が今もっているもので、子どもたちに与えられるチャンスは出し惜しみなく全て出してあげたい!子どもと一緒にやるからには楽しんでやる!自分がもしかしたら一番楽んでいるかもしれないですね(笑)~事務所には、西本さんたちの活動の記録が壁一面に展示されています。

■写真:ハッピーロードネット事務局

私たちはいろいろな活動をしていますが、大人がやろうとしてやったことは何もなくて、子どもたちがやりたいと言ったことだけををやっています。その代わり子どもたちは自主責任で全部やっているんです。

■写真:ハッピーロードネット事務局

このプロジェクトは”みんなで”一緒にがんばっていきましょう!という意味をこめて、企業も子どもたちをサポートする。地元やたくさんの人たちに関わってもらって、子どもたちを育てていきましょう!”これが私の信念です。

~そう語る西本さんの表情は、優しく頼もしいお母さんでした。

♦桜を植えて終わりではない 30年後のストーリー

「ここ数日のあたたかさで、桜が咲いているかもしれないからぜひ見に行ってください。」と西本さんに案内され、私たちが最後に向かったのは、双葉郡楢葉町。国道6号線沿いには可憐なしだれ桜が、ピンク色のかわいらしい蕾をつけていました。

桜プロジェクトの特徴は、市町村ごとにソメヨシノやしだれ桜、大島桜に八重桜など種類が異なること。桜の種類を変え時期を遅らせることで、何度も足を運んで頂けるよう、一春に何度も花の盛りが訪れるように植樹されています。

■写真:楢葉町の枝垂れ桜の様子

浜通りの桜街道は、桜を植えたら終わりではないんです。桜を植えたらどう守っていくか、どう良いものにしていくか。つねにワクワクするようなことを考えていきたいと思っています。

桜並木を『復興のシンボル』として全国・世界へ発信し、後世に残していく。30年後は私たちに変わり桜が震災の語り部になり風化を防いでくれるはずです。

~桜が咲き誇る新たな町づくりを目指して、西本さんたちの想いは、地域の若い世代と一緒に進み続けています。

♦最後に~

支援や応援の活動は、会社の枠を超え、一人ひとりの心に響くものだと思います。実際、お話を伺い、植樹した苗木が力強く花を咲かせた様子を見て、私たちも勇気をもらい、心が動きました。

2022年4月、トヨタレンタリース福島は、地域貢献活動として、「ふくしま浜街道・桜プロジェクト」の趣旨に賛同いたしました。植樹は10月頃の予定です。

私たちも、自分たちの桜の木の成長を見守りながら、日本中に春を運んでくる桜に復興の想いを込めて、これからも「ふくしま浜街道・桜プロジェクト」を支援していきたいと思います。

■写真:アーティスト小田和正さんのメッセージ。小田さんが東北に思いを寄せて書かれた楽曲『その日が来るまで』の一節を記してあります。

たくさんの人が浜通り桜街道を訪れてくれますように。最高のドライブロードになるといいな~

■写真:ハッピーロードネット事務局

【NPO法人ハッピーロードネット】【ふくしま浜街道・桜プロジェクト】事務局

お問い合わせ

住所:福島県 双葉郡 広野町 下浅見川 字 築地25-1(広野町駅前の元馬場医院)

🌸 桜プロジェクトは、浜通りのいわき市から新地町まで総延長163kmの国道6号線沿いに植えられています。


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