いくつもの危機を乗り越えた89歳の店主がつくる極上かしわ餅「菓匠・梅月」~いわきドライブ旅②
浜通り
こんにちは、トヨタレンタリース福島 サトウです。
ドライブ先のいわき市には、地元の人々から愛され続ける和菓子店があります。朝7:30オープン、14:00に閉店という短い営業時間ですが、特に人気なのは午前中に完売してしまうほどの「かしわ餅」。県外からも訪れるファンもいるほどです。今回は、そのかしわ餅の名店「菓匠・梅月」をご紹介します。
◆閉店の危機を乗り越えたかしわ餅の名店
「菓匠・梅月」は創業明治24年、いわき市久ノ浜町で代々菓子店を営んできました。平成23年の東日本大震災で津波に襲われた後、家屋は火災で全焼。初代から受継がれた全てを失いましたが、地域の人達からの「もう一度梅月のかしわ餅が食べたい」という声に奮起し、震災から1年後の2012年3月11日、久ノ浜駅前を走る国道6号線沿いに移転し再開しました。
◆次々に襲う苦難にもめげず81歳からの再スタート
この日、私たちを暖かく迎えて下さった梅月3代目 片寄清次さん。現役の店主で御年89歳。背筋がピンと伸びてとても若々しく、上品な方です。
実は震災の数年前に、この店を継いでいた4代目が突然他界し、すでに引退していた3代目清次さんは再び菓子屋を始め、一生懸命に店を盛り立ててきました。そんな矢先にあの大震災、そして最愛の奥様との別れと、度重なる苦難も「不屈」の精神で乗り越えてきた半生は、地元のファンだけでなく、話を伺った私たちも大いに勇気づけられました。
店先に飾られた書画の数々は、梅月の再開にあたり、清次さんに支援を惜しまなかった著名な方々から頂いたものだそうです。お店の話ではなく、お世話になった多くの人々への感謝の気持ちを終始話して下さった清次さん。こうした応援があるのも、清次さんが日頃から「人と人とのつながり」を大切にしてきたからだということを、ひしひしと感じました。
◆最高の材料を使って作る、こだわりのかしわ餅
色々な思いを伺い、さっそく大きな柏の葉に包まれた、まだほのかに温かいかしわ餅をいただきました。丁寧に蒸し上げている草餅はもっちもちで、ほのかに温かくヨモギやヤマゴボウの香りがふわり。あんは、あっさりとした粒あんがぎっしり。
餅は歯形が残るほどむっちりとしていて、柔らかなのに噛むとプリッと切れる歯切れの良さはさすが。確かな豆の味がして「昔ながら」とはよく言ったもので、この懐かしい味がとてもとてもおいしく、気が付くと自然と2個目に手が伸びてしまうほど。温かい日本茶を頂きながら、ほかほかのかしわ餅を頬張る、至福の時間です。
◆元ラガーマンの4代目が作る斬新な味が評判に
神奈川での修業を終え、梅月の暖簾を継いだ、4代目片寄高弘さん。清次さんのお孫さんです。学生時代はあの明治大学でラガーマンとして活躍していたのだとか。その4代目がつくる「おでしの生どうなつ」もすぐに売り切れてしまう人気商品に。どんなお味なのか?早速楽しみにいただきます!
どうなつの表面には和三盆がまぶしてあります。ほのかな和三盆の優しい甘さと、ふわふわの生地は、どうなつというよりシフォンケーキのように軽く、あっという間に口の中でなくなっていくような優しい味です。
開店と同時にお客さんが次々来店。4代目も馴染みのお客様との会話が楽しそうです♪写真は恥ずかしいという高弘さんの貴重な一枚。
「幼少の頃にお菓子屋を継ぐと言っていたが、こうして継いでくれたことが本当に嬉しい」と目を細めて嬉しそうに話す清次さん。お孫さんとこうして菓子づくりをすることが、本当に幸せそうでした。
◆「あずきも塩も最高のものを」変わる事のない「極上の品」
「うちは、お客様に美味しいと喜んでもらう為に、あずきも塩も材料は全て最高の物を使って作ってる」と職人としてのこだわりと、お客様を思う気持ちが、地域のみんなに愛される梅月のかしわ餅の味を守っているようです。まさにいわきを代表する味だと思います。
初夏のいわきドライブを楽しみに訪れたら、海岸沿いで作り立てのかしわ餅を是非味わって下さいね。
【菓匠・梅月】
住所:福島県いわき市久之浜町久之浜字南畑田6
電話:0246-82-2020
営業時間 7:30~14:00
定休日:火曜日
駐車場:有り
アクセス:いわき四倉ICから約12分
※予約お取り置きできます。(梅月のかしわ餅は、午前中に食べるのが一番おいしいそうです。)
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